小学校お受験の疑問や心配事を幼稚園・小学校受験専門家に聞いてみました〜THE LINERお受験相談教室 vol.1〜

THE LINEのお客様にはお受験を控えている方も多いとのこと。インスタグラムのフォロワーの皆様にお受験に関する質問を募集したところ、たくさんのお悩みが届きました。 そんな皆様のお悩みを解決するヒントをいただくべくお話しを伺ったのが、幼稚園・小学校受験専門家の青木みのり先生です。

この記事では、幼児教室で身につくことや家庭学習のポイントなど、「お受験にまつわる疑問や心配事とその対策について」をお届けします。



人見知りでも幼児教室に通うことで子どもに変化はありますか?

いつの時代も、恥ずかしがり屋さんや人見知りの傾向がある子はいるもの。THE LINERが募集した質問の中には、「自分の子どもはかなりの人見知りで…個性のひとつと考えて大らかに育てたいけれど、お受験をするとなると話は変わってくるのかな?」との疑問や、「お受験では不利になるのかも?」と心配されたりする親御さんのお声が寄せられました。

これについて、青木先生は次のように経験を交えてお話しくださいました。

青木先生:実際のところ、幼児教室に通うお子様の性格はバラバラで、人見知りの子もいればそうでない子もいます。

ただ、初めて教室にいらした時に緊張していたお子様も、友達や先生と一緒にお勉強することに慣れてくると、少しずつ幼児教室通いが楽しくなってきます。 椅子に座る姿勢や、挨拶する時の所作などもみんなで楽しく練習するので、自然に身についてきます。

例えば、小学校受験に対応する幼児教室では、先生との言葉のキャッチボール(口頭試問)を多く行います。最初のうちは先生からのお尋ねに対してなかなか自分の言葉で答えられなかったお子様でも、教室では繰り返し言葉のキャッチボールの練習をしますので、少しずつ自分の考えを言語化することができるようになってきますよ。どうぞご安心くださいね。

その他、当教室ではお友達とグループになって運動したりゲームをしたり、作品つくりをしたりなどの団体活動での行動観察も多く行います。 そうして、お子様たちの教室での経験を通じて、人見知りの克服や聞く力の向上をはかり、質問に対して自分の言葉で答えられるようにと考えて、日々成長を見守っています。


小学校受験での試験官がチェックしているポイントは?

やはり、お受験において学校側がお子様のどういったところを見ているのか、気になりますね。また、「小学校受験までに養っておくべき点」もお受験をする側としては知っておきたいポイントです。 これについて、青木先生は次のようにお受験にチャレンジするにあたっての最初のアドバイスをくださいました。

青木先生:学校によってそれぞれ異なりますが、「先生の話をしっかりよく聞ける子」かどうかを見ている学校が多いかと思います。小学校入試の問題は「耳で聞く」という形で出題されるため、相手の話をよく聞く力がないと正解ができません。

「相手の話をしっかりよく聞ける子に導いていくにはどうすればいいか?」について、まずご家庭でできる対策としては、「絵本の読み聞かせ」がおすすめです。絵本を通じて親子の会話の時間をたくさんとっていただければと思います。

どんな絵本でも親子で楽しく読めるものであれば良いと思うのですが、これから選ぶなら、ストーリーがしっかりしていて物語に深みのあるものが良いでしょう。

それで言うと、「日本の昔話」がとてもおすすめです。 「ももたろう」や「うらしまたろう」などの有名なおはなしはもちろん、「かさじぞう」や「つるのおんがえし」「わらしべちょうじゃ」も味わい深いおはなしです。

シリーズ累計6万部を突破した拙著『おはなしワークブックシリーズ』では、日本の昔話や世界の童話のものがたりに沿って、小学校受験で出題される問題を散りばめています。絵本の読み聞かせとともに知育トレーニングが楽しくできるので、ぜひご覧になってください。

個人的には『大きな木(作・絵 シェル・シルヴァスタイン、訳 村上 春樹、あすなろ書房)』や『100万回生きたねこ(作・絵 佐野 洋子、講談社)』などは、読んでいてジンとくるものがあります。

読み聞かせをする際に、お子様がなかなか自分の感じたことや思ったことを言葉にすることができない時もあるかもしれません。そんな時には、「お母さんやお父さんはこんなふうに感じたよ」「もし、このおはなしの主人公だったらこんなふうにするかなあ」など親御さんのお気持ちを聞かせてあげると良いでしょう。

<お子様に人気な絵本>
考える力がぐんぐん育つ!おはなしワークブックシリーズvol.1〜vol.5
著 青木みのり 実務教育出版
『がんばれ!ももたろう』
『きをつけて!あかずきん』
『しっかり!3びきのこぶた』
『いそいで!シンデレラ』
『おかえり!うらしまたろう』

勉強ができる子になる!おはなしで学ぶシリーズ
著 青木みのり 実務教育出版
『せいかつじょうしき(さるかにがっせん・わらしべちょうじゃ・ジャックとまめのき・マッチうりのしょうじょ)』
『ことばともじ(はなさかじいさん・ブレーメンのおんがくたい・かぐやひめ・いっきゅうさん)』
『かずとかたち(ヘンゼルとグレーテル・おやゆびひめ・つるのおんがえし・かさじぞう)』

『どろんこハリー』
作 ジーン・ジオン、絵 マーガレット・ブロイ・グレアム、訳 わたなべ しげお
福音館書店

『としょかんライオン』
作 ミシェル・ヌードセン、絵 ケビン・ホークス、訳 福本 友美子
岩崎書店 

十二支のはじまり』
作 やまち かずひろ、絵 荒井 良二  小学館

 

フルタイム共働きだと小学校受験は厳しい?

小学校受験をするとなると、お子様に付き添って幼児教室や習い事に通う必要も出てくるもの。また、入学後の通学にも付き添いが必要な場面が出てくるのではないか、心配される声が聞かれます。そのため、「フルタイム共働き家庭だとお受験は難しいのかな? でも、今後のことを考えてお受験に挑戦したい」と、思い悩まれているご家庭もあるようです。

このことについて青木先生は、最近のお受験に挑戦するご家庭の傾向や学校側の変化についても教えてくれました。

青木先生:最近はフルタイム共働きのご家庭が小学校受験をするケースも増えてきました。 放課後に様々な習い事もできる、充実したアフタースクールを併設する学校も増えているので、「フルタイムだから難しい」とは一概に言えないのだと思います。

ただ、大切なお子様の小学校生活を充実したものにするためにも、保護者として学校の教育活動に全面協力する姿勢は大切だと思います。 共働きのご夫婦でも工夫しながら、宿題のサポートや学校行事への参加等をこなされている方は大勢いらっしゃいます。

そうした反面、共働きの忙しさを理由としてお子様の教育を学校に丸投げする姿勢が透けて見えるご家庭もあるようで、その場合は多くの学校から歓迎されないでしょう。


小学校受験はいつまでに決める? お受験に備えて家庭でできることは?

それぞれのご家庭の状況により、「よし、受験に向けて頑張ろう!」と決心するまでに時間が必要とお考えの方もおられると想像します。では、受験を決めるリミットはいつごろか、青木先生のお考えを聞いてみました。

青木先生:年長に進級する4月から受験対策を始めて半年で合格するお子様もいますが、稀なケースと言えます。ただ、学校によって難易度もさまざまなので一概には言えませんが、年長にあがるまでの間にご家庭で基礎学力やしつけがしっかりとできていれば、半年間の通塾でも合格の可能性もあるでしょう。

難易度の高い人気校を志す場合には、新年中11月(年少の11月)から基礎を始めて、丸2年かけて準備するのが一般的だと思います。基礎さえしっかりできていれば新年長(年中の11月)からのスタートでも問題はありません。

基礎というのは、例えば、「季節の花や行事、旬の野菜や食べ物などの知識を身につけておく」「身の回りのものの名称をたくさん知っておく」といったことや「数を正確に数える」「指先の巧緻性(巧みに動かすこと)をしっかりと鍛えておく」などが挙げられます。

他方、ご家庭だけで対策しようと躍起になると、それが過度にお子様にプレッシャーをかけてしまうことになったり、親御様がストレスを感じることにも繋がりかねません。 小学校受験をうまく乗り越えられるように、ぜひ信頼できる幼児教室を見つけてくださいね。

ちなみに、当校では少人数制にこだわり、どのお子様も取り残さず丁寧に教えることを第一としています。年中からカリキュラムをスタートさせ、緩やかに学びを深めていくことを大切にしている教室です。

年長からスタートするお子様には、別途個別指導や家庭学習サポートなども含めて手厚くフォローし、短期間で授業に追いつけるようにお手伝いしていますのでご安心ください。


小学校受験で一番差がつきやすい分野は?

試験の内容には、ペーパーや口頭試問、運動、行動観察、指示行動、記憶(お話や絵)などたくさんの種類があるとされています。 お子様一人ひとりで得意・不得意は違うとは思うものの、特に手厚く対策しておきたい分野があるとしたら、あらかじめ準備をしておきたいもの。これについても青木先生は次のようにアドバイスをくださいました。

青木先生:一番差がつきやすいのは「行動観察」だと思います。 難関校を受験するお子様は総じてペーパーをかなり仕上げてくるのが特徴です。これは素晴らしいことです。一方で、行動観察だけは日頃のお子様の様子が出てしまうため、幼児教室のみの対策だとどうしても時間がかかってしまいます。

例えば、身の回りのものを丁寧に使えているか、その場に応じた立ち居振る舞いができているかなどは一朝一夕では身につきません。また、指示を的確に聞いてその通りに行動するためにはやはり「聞く力」と「理解する力」「その通りに行動できる身体が整っているか」など、複合的な力が必要になります。

行動観察の対策としては、ご家庭でたくさんお手伝いをしてもらうことをおすすめします。特に、一度に複数の指示をすることで必要な力の向上に繋がります。

例えば、お子様に玄関のたたき掃除をお願いする際に、「まずは玄関ドアをあけて風を通しましょう。それから靴を揃えて下駄箱にしまってね。次に新聞紙を水に濡らして細かくちぎってから玄関のたたき全体に撒いてね。ほうきが物置にあるから取ってきて、玄関の新聞紙を集めてちりとりに掃きとってゴミ箱に捨ててね」といった具合です。 こうすることでお子様は、お手伝いの手順をなんとなく聞くのではなく、頭の中で順序立てながらイメージして聞くことを練習することになる、というわけです。

このように毎日の生活のなかでお手伝いを通じて複雑な指示を頭の中でイメージしながら聞く練習をすることが大変おすすめです。

当校では、ペーパーを中心に口頭試問、指示行動や絵画工作なども一通り網羅する「総合クラス」をはじめ、グループ活動を通じて指示行動の練習をする「行動観察クラス」も設けています。また、春休みや夏休み、冬休み、ゴールデンウィークなどの長期休暇中に行う「季節講習」では、お子様を1日お預かりしてペーパーや行動観察の集中特訓などもしております。

「行動観察クラス」や「季節講習」には外部の方もスポットで参加いただけますのでぜひお気軽にお越しください。

 


今回は、「お受験対策について」の皆様から寄せられた質問を幼稚園・小学校受験専門家の青木先生に教えてもらった内容をお伝えしました。

次回のテーマは、「お受験ファッション」です。お受験の主役はお子様とはいえ、それを支える保護者のファッションはどうあるべきか、などを青木先生にお話しいただきました。どうぞそちらの記事もご期待ください。

<青木みのり先生のプロフィール> 幼稚園・小学校受験専門家(幼児知育・学校選び)
幼稚園・小学校受験幼児教室 MBキッズカレッジ世田谷用賀校 校長

幼児向け受験指導(幼稚園入園の準備、小学校受験向け学習)と共に「我が子にぴったりの幼稚園や小学校を選びたい」という保護者への的確な受験指導・進路相談を最大の得意分野とする。著書10冊、シリーズ累計6万部突破のベストセラー作家でもある。

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